こんにちは、ロタケです。
夏だけ山登りをする私の、今シーズン最後の山は白馬三山。
1日目は、猿倉から大雪渓の秋道を登って白馬岳を目指し、日本最大の山小屋「白馬山荘」で宿泊。
2日目は、ガスで視界ゼロの中、杓子岳、白馬鑓に登頂。稜線から下りたら雲の下に出て、少しだけ秋色に色づき始めた景色を存分に楽しみます。
鑓温泉でまったりしてから、猿倉に下る1泊2日のルートです。
2日合計のコースタイムが15時間となかなかハードなコースですが、秋の気配が漂う山々を眺めながらの素敵な登山になりました。
行程 2019/9/27(金)・28日(土)
【1日目】
猿倉(05:40)・・・白馬尻(06:36)<休憩 10分>・・・葱平(08:26)<休憩 7分>・・・村営頂上宿舎(09:46)・・・白馬山荘(10:00)<休憩 10分>・・・白馬岳(10:23)<休憩 60分>・・・白馬山荘(11:30)
【2日目】
白馬山荘(05:20)・・・村営頂上宿舎(05:32)・・・杓子岳分岐(06:06)<休憩 10分>・・・鑓ヶ岳(07:08)<休憩 2分>・・・鑓温泉分岐(07:27)<休憩 15分>・・・白馬鑓温泉小屋(09:00)<休憩 40分>・・・小日向のコル(10:48)・・・猿倉(12:09)
コース概要・タイム
標準:15時間20分 、今回:10時間4分(コースタイム倍率0.66倍)
水平移動距離 18.9km 積算標高差上り:約2572m下り:約2572m
地図
アクセス
往路:毎日アルペン号
新宿から毎日アルペン号を利用。
木曜の夜で渋滞がなかったからか、猿倉到着は5時20分と少し早めの到着になりました。
復路:バス&電車
猿倉からバスで白馬駅まで(1000円)。
乗合タクシーという手もあるんですが、人数が3人以上揃わないと発車してくれません。
今回は、3名揃うよりも先にバスが来たのでバスに乗りましたが、降車場所を色々と融通してくれる乗合タクシーの方がおすすめです。
温泉とかにも行きやすいですしね。
白馬駅からは「特急あずさ」で八王子経由で横浜まで帰りました。
この特急あずさの本数がもう少しあればいいんですけど、2時間に1本くらいしかないんですよね。
危険度★★★★☆
登山道自体はしっかりと整備されていますす、踏み跡もはっきりしているので、道迷いの心配はありません。
唯一の危険個所は、鑓温泉の少し上部の20分ほど連続で現れる鎖場。
傾斜も緩くて、ひとつひとつの鎖場が短いのでパッと見、油断してしまうと思います。
ただ傾斜が緩いので、前向きに下りるか、後ろ向きに下りるのかを迷う感じで、以外にいやらしいです。
しかも岩も滑りやすいので、滑落事故がたびたび発生するのも頷けます。
小屋がすぐ下に見えているので、油断したり、急ぎたくなる気持ちが出てくるのも、危険度を高めていると思います。
時間をかけて、慎重に下りましょう。
体力度★★★★☆
このルートは2日目がハードです。
杓子岳・白馬鑓と2時間の山登りをしたあとに、6時間の下りが待っています。
しかもこの下り道、最初の2時間の急な下りで、最後の2時間は傾斜は緩やかですが、石ころの多い不安定な下り。
なかなか体力がいるので、しっかりと鍛えてから行きましょう。
白馬山荘 情報
混雑度
9月最後の金曜日。さすがに空いてました。
閑散期ということで宿泊棟は一部閉鎖されていて、2号館・3号館のみの利用ですが、6人部屋に3名のみで余裕をもって過ごせました。
全体でも50名ほどの宿泊だったと思います。
携帯電話(ドコモ)
私の部屋は2階でしたが、アンテナは4本で安定してました。
1階部分だと、アンテナ2本と少し繋がりが悪かったです。
トイレ
「大」の方はすべて洋式です。紙もそのまま捨てられます。
その他
昼ご飯は、評判のレストラン「スカイプラザ白馬」で、剱岳を眺めながらパンケーキでも食べようと楽しみに登ったんですが、
今年は9月23日までの営業だったとのことで、ありつけず。
結局カップヌードルをいただくことに。。。
営業期間をHPで調べてから行くことをおすすめします。。。
ワンポイント
シャワー派の私が言っても説得力がないですが、鑓温泉を楽しみに行くなら、宿泊前提で行くことをオススメします。
お風呂で火照っているのに、もう一度強度の高い運動をするのは、カラダへの負担が大きかったです。
しっかりと冷ましてから次の行動に移ればいいのですが、温泉の効用でポカポカして、なかなか冷めません。
温泉好きなら、鑓温泉小屋で宿泊必須です。
アフター登山
鑓温泉でお風呂に入ってるといっても、電車に乗る前にもう一度お風呂に入りたいですよね。
私のオススメは「みみずくの湯」。
乗合タクシーなら現地まで連れて行ってくれますし、バスなら白馬駅の一つ前の「八方口」のバス停で下車してすぐ。
こじんまりとした、地元の方御用達のお風呂ですが、露天風呂からは白馬三山も見えて、いいお風呂です。
白馬駅までも歩いて10分。時間つぶしにも使えますので、ぜひ。
ロタケの登山日記
(個人的な登山日記なので色々と書いていますが、雰囲気が少しは伝わるかな。必要のない方は読み飛ばしてやってください。)
1日目
新宿~猿倉
今回の足は、新宿からいつもの「まいにちアルペン号」。
登山シーズン終了間際のためか、プレミアシートの設定がなく、182cmの私にはかなりキツイ普通の4列シートで。
「平日の夜なので、隣の席は空席かも?」
そんな淡い期待は一瞬で吹き飛ぶ感じで、バスは満席。
皆さん夏山シーズンぎりぎりまで存分に楽しまれている様子です。
あきらめて狭い席に身をあずけ、耳栓とアイマスクを装着し、睡眠に入ります。
ただ狭い座席だと熟睡って難しいですね。ウトウトはするんですけど、何度も目を覚ましてしまいます。
猿倉到着は予定より早い5時20分。
バスに乗っていた半分くらいが、ここ猿倉で下車。やはりこの登山口は人気があります。
まだ日の出前の薄暗い空を見上げると、雲一つありません。
今日は最高の登山日和かも。
猿倉~白馬岳~白馬山荘
数名の登山者と前後しながら歩き始めると、前方に今日の目的地白馬岳の全容があらわれます。
朝日に照らされて金色がかっていて、幻想的。
はやる気持ちを抑えつつ、息が弾まない程度のスピードで、からだを温めていきます。
景色を眺めながら歩いていたら、あっという間に白馬尻に到着。
朝食代わりのコンビニおにぎりを2個投入し、これからの登りに備えます。
9月最終週なので、ここからの登りは当然、雪渓ではなく、登りにくい秋道。
谷の側面につけられた不安定な足場の秋道は、
如何にも落石が起きそうな地形で通過を急ぎます。
しばらく歩くと、谷の真ん中を歩くルートになったので、少しペースを落として、
疲労の蓄積を抑えます。
50歳を超えたころから、その日は無理が効いても、
翌日には確実に足にダメージが残るようになってきたんですよね。
明日も長いルートなので、股関節を使いながら、無理なく、無駄なく、省エネ登山を心がけます。
結局、雪渓の上を歩いたのは5分ほど。
しかも融雪が進んでクラックが走っていたので、近いうちに歩けなくなるのかも。
村営白馬をスルーし、一気に今日の宿、白馬山荘へ。
登山開始から4時間ほどたちますが、まだ雲は湧いてきていません。
振り返ると明日登る杓子岳と白馬鑓がカッコよく、そそり立っています。
白馬山荘の到着は10時ちょうど。
宿の受付は11時からとのことなので、荷物をデポさせてもらって、空身で白馬岳山頂へ向かいます。
15分ほどで山頂へ。
雲もほとんどなくて、360度、最高の景色が広がっています。
平日ということもあって、山頂には他に2名だけ。ゆっくりと静かな山頂を楽しめます。
気が付けば、1時間も景色を眺めていましたが、さすがに、おなかがすいてきたので小屋に戻ることにします。
白馬山荘にて
今回の宿泊を白馬山荘にしたのは、評判のレストランで「剱岳を眺めながらパンケーキを食す!」という贅沢を味わいたかったから。
いそいそとレストランに向かいますが、どうも人の気配がありません。
なんだか嫌な予感がします。
恐る恐る小屋の方に聞いてみると、閑散期に入ったのでレストランは先週で閉めたとの衝撃の事実が。。。orz
気を取り直して
何か、食べられるものあります?
「カップヌードルだけですけど。。。」
「・・・・・」
「じゃあ、カップヌードル、ください。。。」
ちゃんと調べてこなかった私が悪いんですけど。。。
完全にパンケーキを食べる口になっていたので、カップヌードルがなかなか喉を通りません。
カップヌードルを無理やり胃に詰め込んで、部屋の方へ。
さすがに閑散期だけあって、6人部屋に3人と超余裕の空間です。
夕食後は部屋の方々と、外のテラスで暗くなるまでおしゃべりを楽しんで、19時半に就寝。
消灯は21時と山小屋としてはかなり遅い時間だったので、アイマスクと耳栓を装着し、翌日に備えて無理やり寝ました。
2日目
白馬山荘~白馬鑓
起床は3時半。
当初は不帰・唐松岳経由でアルプス平に下山するロングルートの予定だったので、早出で。
自炊室で、朝食用の弁当を食べ、準備を整えて、予定通り5時に出発。
日の出が5時半なのでまだ真っ暗。ヘッドライトを頼りに歩き始めます。
ただ雨は降っていないもののガスでヘッドライトが役に立たず、登山道が見えません。
50mほどで進むのをあきらめ、白馬山荘へ引き返し、日の出を待つことに。
少し白み始めた5時20分、再出発。
ガスで前が見にくいのは一緒ですが、踏み跡はしっかり見えてきたので、かなり歩きやすくなってます。
視界は終始50mほど。
晴れていたら気持ちのいい稜線だろうなとイメージを膨らませて、気持ちを無理やり盛り上げつつ、キツイ登りと格闘します。
視界ゼロの杓子岳を無事に通過。
白馬鑓山頂でもガスは晴れる様子なく、ついにはポツリポツリと小雨が降ってきます。
白馬鑓を過ぎれば、唐松方面へ進むか、鑓温泉へおりるか決断の分岐点。
携帯で雨雲レーダーを確認すると、天気は悪くなる一方で回復は難しそう。
濡れた「不帰」に突入する技量はないので、大人しく鑓温泉へ向かうことに。
稜線を5分も下れば、雲の下へ出たようで、光の差し込む幻想的な風景が一気に広がります。
稜線上にいたら、ずっと雲の中で、景色とは無縁の1日になるところ。
どうやら、鑓温泉へ下る判断は正解だったってことかな
と気分を良くして、秋色に色づき始めた山肌を一気に高度を下げていきます。
鑓温泉手前の鎖場に手こずりながらも、なんとか鑓温泉小屋に到着です。
鑓温泉小屋~猿倉
「鑓温泉って、温泉好きには羨望の温泉なんですよ♪」
ちょうど一緒になった温泉好きの男性が興奮気味に説明してくれます。
熱いお湯に長い時間つかっているのが苦手で、普段からシャワー派の私。
・・・そんなに羨望の温泉なら、話のネタに入っておくかな。。
と、入湯料500円を払って、お湯の中へ。
ただこの温泉、かなり熱いです。
(いつも熱いのか、たまたまなのかは、わかりませんが。。。)
500円分は、もとをとらないと。。。
そうは思うものの、熱すぎて、3分持たずに風呂を出る私。
まさに烏の行水です。
しかも、汗だくの靴下をもう一度履きなおすのは、精神的にかなりキツイ。
汗だくの服をもう一度身に着け、鑓温泉をでて猿倉へと向かいます。
この猿倉への道は、そこまで急な斜面じゃなくて歩きやすいんですけど、けっこう距離があります。
せっかくお風呂に入ってキレイになったのに、また汗だくになっている状況がちょっとツライです。
・シャワー派は、足湯で十分なのだ!
・やっぱり靴下の替えは必須なのだ!
そんな結論に達したころ、ようやく猿倉に到着。
今シーズンの私の登山はこれにて終了です。
猿倉~白馬駅~自宅
猿倉からはバスで白馬駅へ。
途中の「みみずくの湯」でお風呂に入りなおそうかとも思いますが、シャワー派の私にはちょっとツライ。
結局、白馬駅のトイレでデオドラントシートでフキフキして、着替えをすまして、2時間後の「あずさ」を待ちます。
この白馬駅って、コンビニもないし、ほんと時間がつぶすところがない。
結局、ロータリー横の2階にある「藤屋食堂」で、時間をつぶすって結論になってしまうんですよね。
「とんかつ定食」と「アイスコーヒー」で粘ること2時間、さらに電車を乗り継いで5時間。
自宅の横浜に到着したのは夜の8時でした。
夏しか山登りをしない私の、今年最後の登山が終了。
今シーズンは、6月の鎌倉アルプス往復から始まって、
雨の金時山と南アルプスアサヨ峰では、人の少ない静かな登山を満喫。
金峰山と瑞牆山のテント泊も楽しかったし、
五竜から鹿島槍を通って、針ノ木岳まで縦走した5泊6日も天気が良くて最高。
9月に入ってからの空木岳日帰りと、
今回の白馬三山は、ハードな登山だったけど、充実感は抜群だったなぁ。
どの山もそれそぞれ持ち味が違って、色々な魅力で楽しませてもらった2019年の夏山シーズン。
来年は、さて、どんな登山が待っているんでしょうね。
まとめ
夏だけ山登りをする私の、今シーズン最後の山は白馬三山でした。
猿倉登山口から秋道の大雪渓を登り、白馬岳の山頂で360度の大絶景を堪能。
2日目は杓子岳、白馬鑓を経て温泉好き羨望の「鑓温泉」へ。
2日間の合計コースタイムが15時間と、なかなかハードなコースでしたが、秋の気配が漂う山々を眺めながらの素敵な登山になりました。
1泊2日で周遊できるこのルート。
雪渓歩きに、稜線からの大絶景、さらには秘境の温泉と、魅力たっぷりのコースです。
少しハードなルートですが、この週末にでも行ってみてはいかがでしょう?
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