こんにちは、ロタケです。
室堂から槍ヶ岳を目指す1週間のロングルートに行ってきました。危険個所が少なく、人も少なく、北アルプスを思う存分楽しめるコースです。今回は夏の最盛期だったので、混雑した山小屋を避けて、テント泊で挑戦。ハプニング満載の楽しい山旅になりました。
全4回に渡ってお伝えしていますこの記事、前の第1回は「行程」や「アクセス情報」「危険度」「体力度」などの情報ををお届けしましたが、今回はその続き。

「小屋やテン場の情報」、このコースの「おすすめ度」など情報満載でお伝えしてまいります。

笠ヶ岳もかっこいいです
テン場・小屋情報
今回はテン泊でしたので、テン場中心の情報です。双六小屋だけ小屋泊でした。
五色ヶ原山荘のテン場

右手の建物がトイレ
立地
小屋から10分ほど下った場所で、広々とした台地?に位置しています。立山や後立山連峰が目の前に広がって、見晴らしの良いテン場です。
混雑度
宿泊したのは日曜日の夜。50張りほど設営できるところに、20張り程度で混雑とは無縁のテン場のようです。
トイレ
テン場の真ん中にコンクリート作りのトイレがあります。そんなに綺麗じゃないです。
水場
テン場の真ん中に水場がつくってあります。雪が少ないと水がでないことがあるそうなので、要確認です。
スゴ乗越小屋のテン場
立地
テン場は、スゴ乗越小屋から北に2~3分歩きます。あまり広いテン場ではなく30~40張りといったところでしょうか。
小屋とはすこし離れているので、夜のトイレはつらいです。
混雑度
平日の月曜日でしたが、テン場はほぼ満杯でした。
トイレ
小屋の横にテント利用者専用のトイレがあります。北アルプスでは珍しいぐらいのかなり「素朴な感じ」のトイレです。
水場
小屋横に水場があって無料で使えます。
小屋情報
・カレーが抜群にうまいです。
・この年の売店には、とても大人しそうな女性が座っていたのですが、レゲエミュージックが流れる中、お手玉をしつつ、カレーの注文を取るという独特な世界観で、すごく印象に残っています。

このクオリティ。凄くないです?
薬師峠のテン場

平日なのでまだスペースはあります
立地
管轄は太郎平小屋のようですが、太郎平小屋まではしっかりと距離があって、片道20分以上は覚悟する必要があります。
テン場の横に小屋があって、午後3時くらいになるとここで受付が始まります。またジュースやビールの販売もしてくれますので、太郎平小屋に行く必要はありません。
混雑度
ここのテン場は混雑します。ただキャパは100張あるので、休日でなければ余裕はあると思います。
私が到着したのは平日の13時と少し早目だったので、その時点では全然すいていましたが、17時くらいには7割方埋まっている感じでした。
トイレ
テン場から西側に1分行ったところにコンクリート造りの大きなトイレが建っています。
洋式トイレで、とても綺麗にされていて、街中の公園のトイレのようでした。
水場
トイレの近くで水が出っ放しになっています。水の勢いが凄いので、水を汲むだけでビチョビチョになれます。
黒部五郎小舎のテン場

テン場から笠ヶ岳が綺麗に見えます
立地
黒部五郎岳と三俣蓮華岳の鞍部に位置し、小屋からは徒歩1分。笠ヶ岳が綺麗に見える場所です。
混雑度
30張とスペースは広くありません。私が泊まったのは平日だったのもありテン場の埋まりは7割程度でした。
トイレ
小屋のトイレを使いますが、とても綺麗です。テント利用者は裏口から入ります。
水場
小屋前のベンチの横に水場があります。普段はジュースやビールなどが冷やされています。

黒部五郎小屋。小屋の前のテラスでみなさんまったりしておられます。一度は泊まってみたい感じのいい小屋です。
双六小屋
この日だけテント泊ではなく、急きょ小屋泊りに変更したので、テン場情報ではなく、小屋の情報です。
立地
双六岳と樅沢岳の鞍部にあり、鷲羽岳が綺麗に見えます。
混雑度
200人収容できる大規模な小屋ですが、山の日ということもあり、完全に収容人数をオーバーしていました。私の部屋は布団3枚に大人5人の割合で、一睡もできませんでした。
食事
食事の内容は、特に特筆する感じではなく、いたって普通です。
夜は番号制でしたが、朝は早く並んだ人から食べられるシステムです。4時半から朝食スタートですが、4時から並んでなんとか一番飯にありつけました。

夕食はこんな感じ。天ぷらがでてきます。美味しいですよ。
その他
ここの山小屋は教育が行き届いていて、すごくテキパキと応対してくれます。
忙しい小屋なのに嫌な顔一つ見せずに応対されていて、ちょっと感動ものでした。山小屋の応対って、無愛想なところも多いのですが、こちらは別格です。
あと、コンビニで売っているような鳥のから揚げが売っています。山で食べられるとは思っていなかったので、超うれしかったです。

鳥のから揚げ
テン場情報
山の日だったので、60張のキャパは完全にオーバーしているようでした。

さすがに山の日。色とりどりのテントが所狭しと並びます
横尾山荘のテン場

立地
横尾山荘から1分のところに100張ほどのスペースが作ってあります。綺麗に整地されています。

平坦なところに張れるので快適です
混雑度
土曜日の宿泊で8割方の埋まりでした。
登山者だけではなく、ハイカー?などもいるので、夜の9時を過ぎても普通に起きている人もいます。私は翌日下山するだけで、問題ありませんでしたが、耳栓などがあった方がいいかもしれません。
トイレ
テン場の横にかなり立派な公衆トイレが建っています。超キレイです。
おすすめ度★★★★★
このコースはたっぷりと時間をかけて北アルプスを堪能できるコースです。このコースのおすすめポイントはいくつかありますが、一番は槍ヶ岳が最終目的地だというところだと思います。
登山をする人にとって、槍ヶ岳という山は特別な存在だと思うのですが、その槍ヶ岳を長大なルートで何日もかけて目指すというのは、心高ぶること間違いと思います。
最初は本当に小さく見えていた槍ヶ岳が1日1日と大きくなり、西鎌尾根に取り付いたあたりで一気に眼前に迫ってきます。長い時間をかけてたどり着いたからこそ味わえる感動があなたを包みます。
また五色ヶ原からスゴ乗越付近はのんびりした登山が楽しめます。北アルプスと言えば岩岩しい岩稜帯を思い浮かべますが、北アルプスの違った一面も楽しんでみてください。
ただ個人的にこのルートで一番感動したのは、太郎平小屋から北ノ俣岳を経て黒部五郎へ向かう稜線でした。
黒部川を挟んで見える雲ノ平の全貌や水晶岳の往々しい姿が、雄大で美しく、本当に歩いていて気持ちのいい場所でした。山を歩いていて幻想的な風景に出合うことはよくありますが、ちょっと大げさですけど「ここは天国?」なんて思ったのはここが初めてです。
さらに最盛期の北アルプスでも、このルートは比較的静かに登山が楽しめるルートになっています。体力的には厳しいですが、是非一度歩いてもらいたい星5つのおすすめルートです。

北ノ俣岳手前から槍を望む。ここからの風景は本当に雄大ですよ。
ロタケのワンポイント
長いルートですので、2~3日はカンカン照りの日に遭遇すると思います。
山での日焼けは本当にヒドイことになるので、暑くても長袖を着るなどしっかりと日焼け対策をしていくことをおすすめします。私はずっと半袖であるいていたのですが、両腕とも日焼けで火傷みたいになって、水ぶくれになりました。(T_T)
アフター登山
上高地からバスに乗る前に一週間の垢を落としましょう。おすすめは「上高地アルペンホテル」。
上高地バスターミナルからは歩いて10分です。ここのお風呂はそれほど大きくはないですが、とても綺麗です。1週間ぶりのお風呂って最高に気持ちいいですし、他の人へのエチケットとしても、是非、ひとっ風呂浴びてから帰路につきましょう。
上高地には外来入浴できるところって、あまり数がありません。また入浴可能な時間も微妙に違うので、自分の到着の時間にあわせてお風呂をチョイスしましょう。
ちなみに「上高地アルペンホテル」は、入浴時間が7:00~10:30と12:00~14:30とお昼の入浴ができません。ご注意ください。

まとめ
室堂から上高地をつなぐ60キロを超えるロングルートです。しかもアルピニスト憧れの槍ヶ岳を1週間かけて目指すルートで、徐々に大きくなるその雄姿に毎日のように心が躍ることでしょう。
さらにこのルートは岩稜帯が少なく、こんなロングルートにも関わらず、鎖場などの危険個所は本当に少ないので、安心して登山が楽しめます。さらに夏の最盛期でも比較的すいているので、混雑が嫌いな方には最適のルートだと思います。
北アルプスの楽しみは岩だけじゃありません。そんな一味違う北アルプスの楽しみ方を教えてくれるルートです。夏の予定がまだ決まっていないなら、一度検討してみてはいかがでしょうか?
最高に楽しい北アルプスがあなたを待っていますよ。
全4回に渡ってお届けしています「テントを担いで室堂から槍ヶ岳を目指します。」ですが、情報編はこれでおしまい。次回からは私の「日記風の山行記」になります。特にたいした情報もないので、気が向いたら読んでやってください。「日記風の山行記」はこちら。
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