こんにちは、ロタケです。
ロングルート好きの私。そんな私が以前から行ってみたかった甲斐駒ヶ岳につながる日本三大急登の一つ「黒戸尾根」。頂上まではコースタイムで約9時間。ほぼ延々と登り続ける、そんな過酷なルートです。
ちょっと調べてみると、そんな登るだけでも過酷なルートを日帰りで往復している山レコが多数。(大半がトレランですが・・・)
個人的には装備を削りに削ったトレランは好きじゃないので、ちゃんとした登山装備、登山靴で「黒戸尾根」の日帰りにチャレンジしてきました。
行程 2016/9/24(土)
尾白渓谷駐車場(04:45)・・・笹ノ平(06:04)・・・刀利天狗(07:18)・・・五合目小屋跡(07:53)・・・七丈小屋第1<休憩 10分>(08:33)・・・八合目・・・甲斐駒ヶ岳<休憩 10分>(10:07)・・・八合目・・・七丈小屋第1<休憩 10分>(11:30)・・・五合目小屋跡・・・刀利天狗・・・笹ノ平(13:40)・・・尾白渓谷駐車場(14:34)
コースタイム
標準:15時間10分 、今回:9時間19分(コースタイム倍率0.61倍)
地図
概要
水平移動距離 17.1約km 積算標高差上り:約2,699m下り:約2,699m
登山者遭遇度(10段階で表記)
尾白渓谷駐車場~頂上 人3、甲斐駒頂上 人8
シルバーウィークの土曜日でしたが、道中ではそれほど人には出会いませんでした。1日ですれ違ったのはせいぜい30名程度だったように思います。
さすがに甲斐駒の頂上はシルバーウィークということもあり人だらけでしたが、ほとんどの方は北沢峠からの登山者です。まあ、それだけ厳しいルートってことなんだと思います。
アクセス(車)
中央道の須玉ICからは20分くらいでしょうか。特に迷い箇所はありません。
道路も舗装路でしっかりしています。私は横浜町田ICから1時間45分くらいで到着できました。
駐車場混雑度
駐車スペースは100台とたっぷりあります。土曜日の朝4時半で、駐車している車は10台程度でした。
下山してきたのは14時半でしたが、満車にはなっておらず、7割程度の埋まり方だったと思います。
危険度★★★☆☆
踏み跡はしっかりとあって、ずっと尾根筋のルートなので、道迷いの危険性は低いと思います。
あと「刃渡り」や五合目小屋跡から始まる鎖場や梯子はしっかりしているので、それほど危険度は高くないです。
ただ、8合目から9合目あたりに、よじ登る感じのルートがちょくちょく出てきて、これが何気に嫌らしいです。
北アルプスなら、おそらく鎖が設置してありそうな場所ですが、そこは南アルプス。ちょっとした登りでは鎖はありませんので、しっかりと3点確保をしながら登りましょう。
体力度★★★★★
1泊してもきついルートですが、日帰りするとなると相当体力がいると思います。私の経験した中でも最上級の厳しさで、富士山御殿場ルートの日帰りよりも、感覚的にはこちらの方がきつかったです。
コースタイムで15時間なので、日の短いシーズンに行くなら、スピードも求められます。しっかりと鍛えてから行きましょう。私はフルマラソンを走った時のような疲労感に襲われました・・・。
おすすめ度★★★★☆
山中で1泊するなら★5つですが、日帰りは多少無理をしないといけないので、★4つにしました。
ただコースとしては相当楽しいと思います。
ルートは樹林帯から岩稜帯まで変化に富んでいて、歩きごたえは満点。道中では、鳳凰三山越しの富士山や、八ヶ岳が見え、頂上からは北岳や仙丈ヶ岳を始めとした南アルプスの山々が望めます。
しかもこのルート、さすがは日本三大急登の一つ。日帰りだろうが、1泊しようが、辛いことに変わりはありません。
その黒戸尾根の異常な辛さが連帯感を強くするのか、すれ違う人同士で声を掛けあうことが本当に多かったです。「あとどれくらいですか?」「辛いですね~」「何でこのルートにしたんでしょうね~」などなど。
「体力に自信のない人はお断り!」そんなフレーズが似合う厳しいルートですが、辛いからこそ、歩き終えた後の達成感はひとしおです。
ロタケの登山日記
(個人的な登山日記なので余計なことも色々と書いていますが、臨場感は伝わると思います。必要のない方は読み飛ばしてやってください。)
自宅を2時半に出発し、尾白渓谷駐車場には4時半に到着。まだ真っ暗。
車内でおにぎりを食し、コンタクトを入れ、トイレ(立派なトイレあり)を済まし、ヘッドライトをつけて、登山開始。
いきなりの登り道を九十九折に登っていく。真っ暗だったが、先行者の明かりがあったので、少し心強く感じる。ペースはコースタイムの0.6掛けくらいのスピードを維持して登っていくが、このペースで最後まで持つのか不安がよぎる。
天気は曇り。尾根筋に上がってからは多少、傾斜も緩やかになり、徐々に明るくなってきた。ここからは鬱蒼と茂った木々の間を延々と登っていく。
少し用心していた「刃渡り」だったが、規模も小さく、傾斜も緩やかで、なんなく渡りきれた。
5合目すぎからは、梯子とクサリ場の連続。危険な感じはないが、神経を使うし、腕力も使うし、息があがる。
7合目あたりから上は多少雲はあるものの展望が開ける。
8合目から9合目にかけては小さな岩場が連続していて、落ちても命に別条はないが意外に難しい。ただこの辺りからの見える甲斐駒の姿は岩々しくて、凛々しくて、カッコいい。
頂上にはすでにたくさんの登山者が見えるが、そのほとんどが北沢峠から来た人だろう。そんな中を黒戸尾根から登頂するのは、なんだか誇らしい気持ち。
頂上に立つと多少雲はあるものの仙丈、北岳、間ノ岳、塩見、悪沢の姿が確認できる。鳳凰のオベリスクはハッキリ見えて、富士山もうっすらと見えている。
この時点ではそこまでの疲労感はなかったが、先は長いので、休憩もほどほどに下山に移る。
頂上まで5時間ちょっとで来れたので、何故か10時間を切りたくなって、下りも早足で下りていく。ただ、登りではそこまで思わなかったがとにかくルートが長い。
特に五合目小屋跡からの下りが信じられないくらいに長く感じる。
すれ違う人がかなりの頻度で話しかけてくる。黒戸尾根の異常な辛さが連帯感を強くするのか・・・。
徐々に薄暗くなってくる中、ギリギリ10時間を切ってゴールできたが、この疲労感はフルマラソンを走りきったときと同じ感じがする。
この時間に中央道に乗っても渋滞にハマるだけなので、お風呂につかって、仮眠をとってから帰宅。自宅には20時の到着。
ロタケのワンポイント
真夏に日帰りはキツイです。日帰りするなら、涼しい季節に行きましょう。
アフター登山
尾白渓谷駐車場から10分程度の場所にある、白州・尾白の森名水公園「べるが」の中にある「尾白の湯」。ここのお風呂は新しくて、広くて最高に気持ち良かったです。
私はお風呂しか利用しなかったですが、かなり規模の大きな施設のようで、宿泊施設やキャンプ場などもあって、家族で楽しめるようになっています。
まとめ
甲斐駒ヶ岳に続く黒戸尾根。日本3大急登の一つで、積算標高差2,700mは、日本一富士山の中でも最長の御殿場ルートの2,400mを軽く上回ります。
甲斐駒ヶ岳への登山は北沢峠から登ると、半分以下の時間で登れますので、大半の方はそちらのルートを選ぶと思います。
ただ、困難な黒戸尾根から登頂する喜びや充実感は格別です。樹林帯歩きも、岩稜歩きも存分過ぎるほど堪能できるルートです。是非一度トライしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに私、次は、絶対に途中で1泊しますけど。。。
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