こんにちは、ロタケです。
丹沢登山での足慣らしも終了し、いざ富士登山に臨みます。マラソンのトレーニングの一環ということと、山での渋滞は避けたいこともあり、一番人の少ない御殿場ルートからの登頂を目指しました。
ご存知の通り、富士登山には4つのルートがあり、同じ五合目からの登山でも、登りはじめの標高は全然違います。
富士登山ルート比較
吉田ルート:出発地標高 2,305m
往復距離約14km、所要時間 登り:6時間10分・下り:3時間30分、剣ヶ峰往復:+1時間30分
富士宮ルート:出発地標高 2,390m
往復距離約8.5km、所要時間 登り:5時間30分・下り:3時間50分、剣ヶ峰往復:+35分
須走ルート:出発地標高 1,970m
往復距離約13km、所要時間 登り:6時間50分・下り:3時間20分、剣ヶ峰往復:+1時間30分
御殿場ルート:出発地標高 1,440m
往復距離約17.5km、所要時間 登り:8時間10分・下り:4時間20分、剣ヶ峰往復:+45分
比較すると一目瞭然ですが、今回登った御殿場ルートは初心者お断りの健脚向けのルートです。
しかも最初の6時間は山小屋もありません。普段からしっかりと運動をしているような人でないと楽しめないかもしれません。
特に明るいうちに日帰りをするなら、普段の登山から、コースタイムの0.8倍以下で歩いていないとキツイと思います。
行程 2013/8/2(金)
御殿場口新五合目(05:30)・・・新五合五勺(06:40)・・・新六合目(08:11)・・・六合目(08:51)・・・七合目(09:19)・・・七合五勺(09:33)・・・七合九勺(10:04)・・・御殿場口頂上(11:21)・・・富士宮口頂上(11:29)・・・剣ヶ峰(11:49)・・・富士宮口頂上(12:06)・・・御殿場口頂上(12:09)・・・七合九勺(12:51)・・・七合五勺(13:12)・・・七合目(13:29)・・・新五合五勺(14:46)・・・御殿場口新五合目(15:28)
コースタイム
標準:800分 、今回:558分(コースタイム倍率0.7倍)
地図
水平移動距離 17.6約km 積算標高差上り:約2,396m下り:約2,396m
山者遭遇度(10段階で表記)
5合目~御殿場口頂上 2、御殿場口頂上~剣ヶ峰 10
アクセス度(車)
御殿場ICを下りてから県道23号線(富士山スカイライン・無料)を探し、あとはこれをひたすら富士山めがけて登っていきます。
かなり登ったところで、鋭角に県道152号線に入り、あとは突き当りまで。
立派な駐車場が2カ所ある。特に迷うところはないと思います。東名御殿場ICを下りてから約30分。横浜からは1時間30分というところ。
道路状況
御殿場からはずっと登り。道幅も広く、最後までしっかりと舗装されています。
駐車場混雑度
第1~第3まで大きな駐車場がありますが、一番登山口に近い第1駐車場に止めることが出来ました。金曜日の朝5時で、第1駐車場は80%の埋まり具合でした。
危険度★★★☆☆
全般
ルート表示もしっかりしており、踏み跡もしっかりしているので、迷う心配はないと思います。
標高3,000mを越えたあたりから傾斜が急になるので、落石への注意は必要だと思います。
当然3,000m峰なので、天候が悪くなると、風、雨は半端ありません。山小屋が5合目から7合目まで約6時間ありませんので、逃げ込むところがありません。天気が悪い時は撤退する勇気も必要だと思います。
その他
高山病対策は必要です。
5合目ではすぐに登りはじめずに、小一時間ぐらいは、高度に体を慣らしましょう。
あとは水分をこまめに取って、深い呼吸を意識して、ゼエハアしない程度のスピードで登るといいと思います。
体力度★★★★★
1泊するならそれほどでもありませんが、日帰りするとなると相当の体力がいると思います。
私の経験した中でも最上級で、日本三大急登の甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根を1日で往復するのと同じような疲労度でした。
ロタケの登山日記
(個人的な登山日記なので余計なことも色々と書いていますが、臨場感は伝わると思います。必要のない方は読み飛ばしてやってください。)
御殿場IC~御殿場口新五合目駐車場
御殿場ICで高速を降り、5分程度で、カーナビの指示通り県道23号に入ります。
自衛隊駐屯地を過ぎれば、富士山めがけて一直線に高度をかせいでいきます。
道路がクネクネしだしてほどなく、県道152号線へはいり、さらに登ると左手に駐車場が見えてきます。
駐車場は3か所ですが、手前の2つがガラガラだったので、一番登山口に近い駐車場まで行きましたが、無事に駐車することができました。
ここでいきなり登り始めると高山病への道まっしぐらなので、車の中でおにぎりを食べながら、まったりとします。
駐車場は8割方埋まっていますが、ほとんどが山小屋泊の人の車みたいで、私以外には2~3名が登山準備をしているだけのようです。
30分ほどまったりしてから、駐車場の前の立派なトイレで用をたし、出発します。
御殿場口新五合目~7号9勺(赤岩八号館)
鳥居をくぐり、砂の道を登っていきます。ほどなくして大石茶屋があらわれます。その横を素通りして、先を急ぎます。深い砂の道が続くので、歩きにくいこと、この上ないです。
そうこうしているうちに一気に視界が開け、これから登る道が数キロ先まで見通せます。夜中に登り始めた人達が、米粒のように見えています。
それにしてもここから仰ぎ見る富士山は本当にスゴイです。雄大過ぎて自分のキャパを越える感じ。こんな景色は日本アルプスのどこを探しても見つからないと思います。さすが日本一の山です。
高山病にならないように、深い息を心掛けながら、水分補給も欠かしません。
息があがると高山病になりやすいのですが、日帰りするためにも、息が上がらない程度のギリギリのスピードで登っていきます。
ただここは本当に長いです。
ただひたすら、足を前後に動かすだけですが、風景がほとんど変わりません。左手に見える双子山で、ちゃんと高度を稼いでいることを確認しつつ黙々と登ります。
6合目手前から傾斜も急になって、きつさ加減が増えてきます。空気の薄さはあまり感じませんが、あまりにも風景が変わらないので、「本当にたどり着けるの?」って気持ちになってきます。
なんとか登山開始から4時間半で赤石八号館に到着できました。
7号9勺(赤岩八号館)~御殿場口頂上
ここから、風景が一変します。
傾斜がさらに急になり、岩岩しい感じになってきます。それと同時に、一気に空気が薄くなるのが体感できます。先ほどまでの歩くペースは維持できず、ところどころで息を整えながら、一歩一歩登っていきます。
結構な傾斜なので、落石にも気を付けながら登っていると、頂上が見えてきます。ただここからが意外に長いです。
登山開始から5時間50分で、御殿場口の頂上に到着しました。
この時点でもかなりの疲労感があったので、遠くに見える剣ヶ峰を目指すかどうか迷いますが、意を決して休憩を切り上げます。
御殿場口頂上~剣ヶ峰~御殿場口頂上
5分ほどで富士宮ルートの頂上に到着。ここはもう人だらけです。ちゃんと登山の恰好をした人もいますが、ジーパンで登ってきている人やジャージ姿の修学旅行生もいます。
しかもそこら中で携帯で話をしていて、少し残念な気持ちになります。
最後のザレた坂道を登ると日本最高地点の剣が峰。
あまり長居をしたくなかったので、剣ヶ峰の碑?にタッチして、速攻で御殿場口頂上に戻ります。なんでしょう。あまりにも俗世間化していて、日本最高峰に登頂したという喜びが、湧いてきません。
気を取り直して、さあ下山です。
御殿場口頂上~大砂走り~御殿場口新5合目
8合目までは一気に高度を落としていきます。プリンスルートで富士宮に下りる人もいるのか、多少登山者が増えた感じがしますが、それでも他のルートに比べれば全然すいています。
7合目で下り専用の道に入り、ここからお楽しみの大砂走りです。
ただ登山開始から既に8時間。カラダ全体に疲労が来ています。しかもガスが出始めて景色も見えません。
走る気になんかさらさらならないほど疲れていますが、気合を入れなおして走り出します。
30分ほど走ると雲の下に出たのか、一気に5合目まで続く砂の道が目の前に広がります。
5合目のあまりの遠さに
見えなきゃいいのに・・・
と心の中で呟きながら、足を止めると走り出せなくなりそうなので、休むことなく走り落ちます。
膝に力が入らなくなってきたころ、やっと登山口に戻ってきました。
駐車場にたどり着き、ふと靴を見ると、買ったばかりのキャラバンの靴は、ボロボロになっていました。
ロタケのワンポイント
砂走り対策はしっかりとしていった方が良いと思います。
まず靴が傷みます。私のキャラバンの靴は、砂に擦れてサイド部分に穴があき、購入後2回目の登山で、ご臨終となりました。安い靴で行くか、逆に革の丈夫な靴で行くかの2択だと思います。
あと、砂走りを終えると、顔がズズ黒くなっています。肺や目を守るためにも、マスクとサングラスは必携です。
アフター登山
私のおすすめは、「紅富士の湯」。御殿場口から30分ほど。露天風呂もあって、風呂場からは綺麗に富士山が望めますよ。
まとめ
ここは月面?と感じるほど、非現実的な風景に出会えます。雄大、荘厳、荒涼、なんと表現すべきか難しいですが、こんな景色はここでしか見られません。
駐車場から10分も歩くと、そこは月面です。延々と続く赤茶けた砂の道がどこまでも続いている光景は、圧巻以外の何物でもありません。
日本アルプスでもこんな光景は見れません。他のルートに比べて、格段に人が少ないのも魅力の一つです。数キロ先にポツリと見える人の姿が、逆に孤独感を引き立て、荒涼とした風景を引き立てます。
日帰りはおすすめはしませんが、普段から走ったりしているような人なら、早朝に登り始めても、日の高いうちに帰ってこられると思います。
独特の風景が眺められるこのルート。私は大好きです。
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