こんにちは、ロタケです。
室堂から槍ヶ岳を目指す1週間のロングルートに行ってきました。危険個所が少なく、人も少なく、北アルプスを思う存分楽しめるコースです。今回は夏の最盛期だったので、混雑した山小屋を避けて、テント泊で挑戦。ハプニング満載の楽しい山旅になりました。
全4回(1回目はこちら、2回目はこちら、3回目はこちら)に渡ってお伝えしていますこの記事ですが、今回で完結です。私の日記風の山行記で、特にたいした情報もないですが、ここまで来たら最後まで読んでやってください。
登山5日目、黒部五郎小屋からスタートです。
ロタケの登山日記
登山5日目①:黒部五郎小舎~双六小屋
本日の行程は、双六山荘までなので、ゆっくりの出発。高曇りで風はあるものの、見晴しは悪くない。
三俣蓮華への登りで、男女のトレイルランナーとすれ違う。未明に新穂高温泉を出発したとのこと。コースタイムで10時間はあるはずで、朝の7時に三俣蓮華まで来てるとはなんという体力なんでしょうね。
三俣蓮華の山頂はやはり人だらけ。ここまで来ると一気に人が増えて、最盛期の北アルプスといった感じです。
三俣蓮華から双六岳までの間は景色を眺めながら、カメラを取りながら、ゆっくり、ゆっくり歩きます。
双六岳の山頂からは山の写真で良く見る槍ヶ岳の姿が・・・。今までは横に目線をやると槍ヶ岳が見えていたのですが、ここまで近づいてくると槍ヶ岳を眺めるのに、目線を上げる、見上げる感じが出てきます。
結局、双六岳の山頂で、たっぷり30分は景色を眺めていたと思います。
双六からの眺めを堪能し、本日の宿、双六小屋に向かいます。
この日の朝食もラーメンとアルファ米だったのですが、5日目連続でラーメンと・アルファ化米を食べ続けた結果、食べた瞬間にリバースしたくなる感じになっていました。食べないと動けないので、無理やり食べましたが、これ以上は食べられないかも・・・・。
小屋で美味しいご飯が食べたいと思うものの、この日は「山の日」。小屋に泊まって大混雑で痛い目を見るか、テントでもう一度ラーメン地獄を味わうか・・・(^_^;)
双六山荘で、
「テント泊で、食事だけ食べれない?」
と聞いてみるも、
残念ですけど、そのような対応はしていないんです
と。しかも
今日は山の日で混雑が予想されるので、3枚のふとんで5人寝てもらうことになります。
と言われる始末。苦渋の決断でしたが、これ以上ラーメンは食べられない。泣く泣く小屋泊りとしましたが、この判断をあとで死ぬほど後悔することになります。
昼ごはんにカレーうどんとから揚げとサイダーをいただき、まだ人の少ない部屋で昼寝を決め込み快適な小屋生活を満喫しますが、快適だったのはここまで。
結局、部屋はおやじだらけになってきて、小屋の人の言った通り、3枚のふとんに5人のおやじが並ぶ感じになりました。
しかも足を伸ばすと反対側にいるおやじの足に当たるという最悪のシチュエーション。
さらに横のおやじの寝相が悪く、何度も私のからだの上に足を乗っけてきます。しかもこのおやじ、体温が以上に高い(T_T)
ウトウトしかけたら、横のおやじの足が当り、なんとか押しのけて、寝ようとすると、熱いおやじのからだが私の背中にぴったりとくっつきます。
繊細な神経を持ち合わせている私にとって、こんなシチュエーションで寝るなんてことは絶対にできません。
横のおやじの熱い体温を感じながら、
二度と山の日に、山小屋には泊まるまい!!
と真っ暗な天井を睨みつけながら心に誓います。
登山6日目①:双六小屋~横尾山荘
結局一睡もできず3時45分に起床。
横で熟睡しているおやじを踏みつけたい気持ちを必死に抑えつつ、一番朝食にありつくために食堂へ向かいます。
朝食1順目は4時30分から。トイレと身支度を済ませ、朝食の列に並んだのが4時ジャスト。すでに30名くらいの人が並んでおり、私の後ろにも次々と人が並んでいきます。
無事に朝食1順目にありつけて、朝からラーメンとアルファ化米を食べないでいい幸せを噛みしめます。おいしいご飯を3度ほどおかわりし、腹一杯になったところで、食堂をあとにします。
コンタクトを入れて、5時に小屋を出発。少し高曇りですが、鷲羽岳が綺麗に見えていて、気持ちのいい朝です。
きつい樅沢岳の登りを終えると、目の前に巨大な槍ヶ岳の姿が突然現れます。
高校生の時に樅沢岳から見える槍ヶ岳に言葉を失ったことが、今回このルートを歩こうと思ったきっかけなのですが、圧倒的な岩の尖峰は30年前と何ら変わることなく、そこに居続けてくれました。
私の中での感じ方は、30年前とは違うものでしたが、このルートにして良かったと思えた瞬間でした。
ここからは高度感のある西鎌尾根を快適に進んでいきますが、時間とともに槍ヶ岳の姿が近く、大きくなってきます。
千丈沢乗越あたりの鎖場はしっかりと整備されていて危険度は低いですが、高度感があって、気は抜けません。千丈沢乗越をすぎると、槍ヶ岳が視界に納まらないくらいに大きく高く広がってきます。
さらに槍の肩までの最後の登りがキツイことこの上ないです。さすが日本第5位の高峰だけあって、今まで通り過ぎてきた山々とは大きさが違います。
槍の肩には9時に到着。振り返るとこれまで歩いてきた山並みが全て見えます。双六、黒部五郎、薬師岳。出発地の室堂・立山ははるか彼方に見えます。
この時間なら空いていると考えていた槍の穂先は、下から上まで人で埋まっています。北アルプスまできて大渋滞に突入する気になれず、きれいさっぱり登頂はあきらめます。
肩の小屋で、カレーヌードルとペプシで栄養補給をすませ、あとはゆっくりと下界へ向かいます。
翌日に上高地におりればいいので、どこで宿泊してもいいのですが、ここまでくると急に下界が恋しくなってきます。なるべく早く下界に下りたい気持ちになってきて、スピードを上げて下を目指します。
ただ殺生小屋を過ぎるころまでは、快調に下りれたのですが前日の山小屋での睡眠不足と西鎌尾根を登りきったダメージで、急にペースダウンを余儀なくされます。
標高が低くなるにつれ、暑さも厳しくなってきて、槍沢小屋で中華丼で栄養補給をし、オランジーナとポカリを飲んでも、歩く気力が湧いてきません。
軽い熱中症なのか、偏頭痛もしてくるものの、「森のくまさん」を歌いながら歩くことで、気分を紛らわして、14時半に横尾山荘までたどり着きます。
さすがにこれ以上は歩けなかったので、本日の宿はここに決め、この山旅で何本目かのコーラとCCレモンを一気飲みし、最後のテン泊を楽しみます。
登山7日目①:横尾山荘~上高地~東京
「松本で絶対に美味しい昼食を食べてやる!」
と心に決めて、最後のラーメンとアルファ化米の朝食を胃に流し込みます。
松本で昼ご飯を食べるためにも、上高地を10:40に出発するバスに乗りたい。しかもバスに乗る前に風呂にも入りたい。なのでこの旅一番早くの5時ジャストに横尾を出発。
ただ横尾と上高地って意外に距離があるので、きっちり2時間半かかって上高地へ到着。
一週間ぶりの文明社会です。
無愛想なバス案内係からチケットを購入し、風呂に入るために、事前に調べておいた上高地アルペンホテルへ急ぎます。
シャンプー、ボディソーで3度洗いして、さっぱりしたあと、ロビーでまったりしていると、テレビでリオオリンピックの女子バレーがやっている。
知らない間にオリンピックが始まっていることに寂しさを感じながら、携帯の「食べログ」で松本駅周辺の美味しいお店を探します。
あまりにも夢中で探していたら、バスの時間まであと15分。慌ててバスターミナルへ走りました。
松本駅まで帰ってきて、昼ごはんは「餃子の王将」をチョイス。
で、頼んだものは、天津飯と餃子と山で散々食べた「ラーメン」。
あんなにラーメンは見たくない、食べたくないと思っていたのに、ついつい頼んでしまうってなんなんでしょうね。まあ、美味しくいただきましたが・・・・。
まとめ
全4回に渡る長い記事をお読みいただきありがとうございました。
今回の山旅は私にとっても過去最長のコースで、しかも30年振りにテント泊にトライしてみたので、最後まで歩き通せるのか正直不安でいっぱいでした。
ただ毎日ヘトヘトになりながらも目的地にたどり着いて、それを1日1日頑張っていたら、なんとか上高地にたどり着くことができました。
50歳を前に挑戦したロングコースでしたが、自分の体力に自信が持てた1週間になりました。
また忙しい日常から離れて無我夢中で歩き通した1週間は、下界で溜まった汚いものを綺麗に浄化できた1週間でもありました。肉体的にはキツいですが、精神的には晴れやかな気持ちになれること間違いありません。
北アルプスの色々な楽しみ方が凝縮されているこのコース。いたるところで感動が待っています。しっかりと準備して、この夏トライしてみませんか?
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